西京漬けの命とも言えるのが「西京味噌」の品質だ。天保元年創業の老舗「本田味噌本店」をはじめとする京都の蔵元が醸す白味噌は、米麹を大豆の倍以上贅沢に使用し、塩分を約5%前後に抑えて短期間で熟成させる独特の製法を守り続けている。
京都府味噌工業協同組合の関係者は、この低塩分・高麹歩合(こうじぶあい)の設計こそが、肉の旨味を損なわずに芳醇な甘みと香りをまとわせる鍵だと指摘する。一般的な辛口の米味噌では塩分が強すぎて肉の水分が抜けすぎてしまうが、西京白味噌の上品な甘みは肉の脂と見事に調和し、奥深いテクスチャーを形成する。本物の白味噌を選ぶことこそ、名店の味を再現する最大の近道と言える。