膝裏の痛みは、発生している部位や付随する症状(しこり、腫れ、可動域制限など)によって疑われる疾患が大きく異なります。代表的な4大原因を整理しました。
1. ベーカー嚢腫(膝裏の腫れ・しこり)
膝裏にピンポン球からゴルフボール大の柔らかいしこりや腫れを自覚する場合、ベーカー嚢腫の可能性が疑われます。関節内にある滑液が裏側の滑液包へ袋状に溜まる病態で、膝を曲げたときに強い圧迫感が生じ、「つっぱり感で正座ができない」という主訴が典型的です。
2. 膝窩筋腱炎(ピキッとした鋭い痛み)
膝を完全に伸ばした状態から曲げ始める際や、下り坂を歩くときに膝の深部がピキッと痛む場合は、膝窩筋腱炎が考えられます。膝のねじれを制御する重要な筋肉であり、ランニング愛好家や足元が不安定な場所で作業する方に多く発症します。治し方の基本は、局所の安静とアイシング、そして回旋ストレスを逃がす運動療法の併用です。
3. ハムストリングスの付着部トラブル
太ももの裏側にある大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋などの腱が膝裏の骨に付着する部位で炎症を起こしている状態です。前屈運動やランニングの蹴り出し時に、膝裏の筋がピンと張って伸ばせない痛みが特徴です。
4. 変形性膝関節症に伴う膝裏の違和感
「膝の内側が痛い」というイメージが強い変形性膝関節症ですが、初期段階では膝裏のこわばりや違和感から自覚されるケースが多々あります。軟骨のすり減りによって関節がわずかに曲がったまま固まり、それを補おうとして膝裏の筋肉が常に引き延ばされ、過度な緊張を強いられるためです。