法住寺のもう一つの際立った顔が、忠臣蔵(赤穂事件)との深いゆかりです。元禄期、赤穂藩の筆頭家老であった大石内蔵助(大石良雄)は、討ち入り前の山科隠棲時代、身代わり不動尊へ度々参詣していました。
内蔵助は吉良邸討ち入りという大願成就と同志の無事を祈願し、遊興に耽るふりをしながらこの寺で静かに決意を固めていたとされます。境内には四十七士を模した「義士木像」が安置されているほか、大石内蔵助愛用の茶碗など貴重な遺品が今も大切に保管されています。
毎年12月14日に行われる「義士会法要(そば会)」は、寺を代表する冬の風物詩です。討ち入り直前に浪士たちが蕎麦を食した故事にちなみ、参拝者に討ち入りそばが振る舞われるこの行事は、2026年現在も忠臣蔵ファンや歴史愛好家が全国から集う恒例イベントとなっています。