グリーンロード南阿蘇がこれほどまでに全国的な知名度を誇る背景には、ロードレース世界選手権(現MotoGP)で前人未到の最高峰クラス3連覇を達成したレジェンド、ケニーロバーツ氏の存在があります。引退後、プライベートやイベントで幾度となく熊本を訪れていたロバーツ氏は、阿蘇外輪山を駆け抜けるこの農道の景観とダイナミックなコーナーの連続に深い感銘を受け、「世界で最も美しい道の一つ」と絶賛しました。
この縁をきっかけに、地域振興と安全運転の啓発を掲げて名付けられた通称がケニーロードです。沿道には記念の案内看板や記念碑が建立され、単なる農道から九州を代表するモータースポーツファンの聖地へと昇華しました。西原村の熊本県道28号熊本高森線との交差点からスタートし、山林を縫うように高度を上げながら南阿蘇村久石へと至る約25.5kmの行程は、ライダーならずとも息をのむ雄大さを湛えています。
また、周辺では熊本県道39号矢部阿蘇公園線などの主要県道ともネットワークを形成しており、カルデラの内側と外側をダイナミックにつなぐ阿蘇観光の骨格ルートとしても重宝されています。王者が愛したワインディングというストーリー性は、今なお多くの愛好家を惹きつけて止みません。