部活の引退式において長年信じられてきた「手作りこそが最大の誠意である」という言説には、大きな落とし穴が存在します。ネット上の美談だけを鵜呑みにして企画を進めると、贈る側の自己満足に陥る危険性があります。
特に配慮が必要なのが、メッセージ色紙と手作りアルバム写真の扱いです。寄せ書き自体は「一番心に残った」という先輩の声が圧倒的多数を占める一方、その形状や運用には現場特有の課題があります。
例えば、従来型の大型色紙に後輩全員がぎっしり文字を詰め込む形式では、「書くスペースが足りない」「後輩同士で誰がどれだけ書いたか優劣がつく」といったトラブルが起こりがちです。最近のトレンドでは、1人1枚のシールにメッセージを書いて貼り合わせる「シール型色紙」が主流になっています。これであれば、部活を休んだ部員のコメントも漏れなく回収でき、先輩側もすっきりと保管できます。
また、個人情報やSNS全盛期の今だからこそ配慮すべき点として、プライベート写真の無断コラージュが挙げられます。変顔や試合中の失敗シーンなど、後輩の内輪ノリで作られたアルバムが「周囲の友人に見られて恥ずかしかった」という声も実在します。記念品を制作する際は、先輩が誇らしく振り返ることができるポジティブな写真選びを徹底することが不可欠です。