秋冬の定番ウェアとして定着しているフリース。軽くて保温性に優れ、手入れも簡単とされていますが、大手レビューサイトや知恵袋、SNSのコミュニティを調査すると「袖の内側がゴワゴワの毛玉だらけになった」「シートベルトが当たる胸元だけ束状に固まった」といった悲鳴が多数確認できます。
都内のクリーニング店でチーフを務める職人は、フリース特有のトラブルについて次のように指摘します。
「お客様から『フリースが洗うたびに固くなる』とご相談を受けますが、あれは繊維の先端が擦れ合って小さなフェルト玉のようになっている状態です。フリースはポリエステルを起毛させた構造のため、もともと毛羽が立っている状態からスタートしています。リュックのストラップや車のシートベルトとの摩擦が加わると、毛並みが絡まり合ってフリース毛玉予防なしでは一気に寿命を迎えてしまいます」
また、冬場の乾燥と化学繊維の組み合わせが生む静電気防止対策の不備も大きな盲点です。ポリエステルやアクリルは帯電しやすく、摩擦によって発生した静電気が周囲のホコリや脱落した細かな繊維を引き寄せます。これが核となって毛玉形成を劇的に加速させているのです。フリースを長持ちさせている愛用者の間では、柔軟剤を用いた帯電防止や、着用後に撫でるように毛並みを整えるケアが不可欠な知恵として実践されています。