烏丸半島と聞いて、かつて琵琶湖岸に広がっていた「約13ヘクタールに及ぶ日本最大級のハス自生地」を思い浮かべる方も少なくありません。しかし、2016年夏にこの巨大群生地のハスが突如として一斉に開花しなくなり、事実上消滅した出来事は全国に大きな衝撃を与えました。
滋賀県や研究機関による現地調査の結果、消滅の主因は単一ではなく、外来種(ミシシッピアカミミガメや外来魚)による新芽の食害、オオバナミズキンバイ等の外来水生植物の繁茂、湖底泥の環境変化、気候変動に伴う水温変化が複雑に絡み合った生態系のバランス崩壊であると報告されています。
自生地の完全復活にはなお多面的な環境保全アプローチが継続されていますが、そうした中で「草津市立水生植物公園みずの森」の存在価値はかつてないほど高まっています。園内の保護池やロータス館では、徹底した人為的管理のもとでハスやスイレンの優良な遺伝資源が安全に維持・育成されており、来園者は自然界の脅威から守られた極めて健全で美しい花姿を間近で鑑賞できるのです。