日頃から注意を払っていても、仕事の連絡待ちや操作ミスによって、非通知着信に出てしまう場面はあり得ます。そもそも非通知電話は出るべきか出ないべきかという問いに対して、防犯上の結論は「100%出るべきではない」です。しかし、万が一応答してしまった場合でも、冷静な手順を踏めば被害を最小限に食い止めることができます。
非通知電話に出てしまった時の対処法
- 名乗らず、即座に通話を切る:相手が誰であれ、こちらから「もしもし、〇〇です」と名乗ってはいけません。相手の声が聞こえた段階、あるいは無言だと分かった段階で、無言のまま通話終了ボタンを押してください。
- 個人情報は一言も漏らさない:「〇〇様のお電話でよろしいでしょうか?」と名前を言い当てられても、「違います」「分かりません」とだけ答え、会話を成立させずに切断します。
- 相手が指定した番号にかけ直さない:「重要なお知らせがあるため、こちらの番号へ」と告げられても、絶対にその番号へ発信してはいけません。
- 警察相談専用電話(#9110)へ相談:万が一、脅迫的な文言を受けたり、口座番号や住所を教えてしまった場合は、直ちに最寄りの警察署または「#9110」へ連絡し、指示を仰いでください。
【プロの結論】心理的バウンダリーの確立と「出ない勇気」
詐欺グループや悪質なリサーチ部隊は、人間の心理的な隙を巧みに突いてきます。突然の着信で「裁判になる」「口座が不正利用されている」と強い口調で脅されると、人はパニックに陥り、相手の指示に従ってしまう「認知的狭窄(視野狭窄)」という心理状態に追い込まれます。また、「せっかくかかってきたのだから用件を聞かなければ失礼になる」という日本特有の過度な礼儀正しさが、自らを危険に晒す要因となっています。
情報防衛において不可欠なのは、見知らぬ他者との間に明確な「心理的バウンダリー(境界線)」を引くことです。「発信者を明かさない不誠実な相手とは、いかなる対話も行わない」という冷徹なルールを自分自身、そして家族の中で徹底してください。特に離れて暮らす高齢の親族がいる場合は、実家の固定電話に対策機器を導入し、「非通知の電話には一切出なくてよい」と繰り返し共有することが、最良の防犯となります。