「ヒラメの捌き方は難しそう」と感じる最大の要因は、どこから包丁を入れれば良いのか迷ってしまう点にあります。失敗しないプロの鉄則は、「外周の縁取り(ぐるり包丁)」と「中央側線への一筋の切れ込み」の2工程を最初に行うことです。
まず、ヒラメのヒレの付け根(表裏・背腹の全外周)に沿って、深さ2〜3mm程度の浅い切れ目を入れます。このひと手間で、えんがわとヒレの皮がスムーズに分離します。続いて、魚体の中央を走る側線(背身と腹身の境界線)を見極め、中骨にカツンと当たるまで垂直に一直線の包丁を入れます。
ここからの刃のコントロールが、えんがわを身側に残す決定打となります。
- 刃の角度を15〜20度に寝かせる:中央の切れ目から刃先を差し込み、中骨の平らな面にペタリと刃を密着させます。
- 骨の段差をなぞるように滑らせる:中骨から外側に向かって、骨をこそげる「カリカリ」という感触を指先に感じながら、刃先を小刻みに動かして身を外側へ押し広げていきます。
- えんがわの境界線で刃を抜く:縁側(ヒレを動かす筋肉)は骨の端に強く付着しています。外周ギリギリまで中骨をなぞり、最後にヒレの付け根に向けて刃先を外へ滑り出させると、えんがわが身と一体化した状態で綺麗に外れます。
この手順を「表の背身」「表の腹身」「裏の背身」「裏の腹身」の4箇所で同様に繰り返すことで、中骨(骨格)が透けて見えるほど綺麗な5枚おろしが完了します。