「サロン帰りの手触りが数日で消える」「オイルを塗っても毛先がパサつく」といった髪質の悩みの根本的な原因は、毛髪内部の微細構造と使用しているケア剤のミスマッチにあります。日本毛髪科学協会の学術資料によると、日本人の毛髪は平均して約10万本存在し、その太さや断面形状、キューティクルの密着度は遺伝や生活習慣によって千差万別です。
にもかかわらず、多くのユーザーが「傷んでいるから重ための補修トリートメントを使う」という一律の選択をしてしまっています。例えば、細くコシがない軟毛に高濃度のシリコンや植物油を過剰に与えると、毛髪表面がコーティングされすぎて内部の水分呼吸が妨げられ、いわゆる「ビルドアップ現象(油膜堆積)」を起こして逆にゴワつきや枝毛の原因となります。
反対に、キューティクルが厚く硬い剛毛に対して軽やかな水分系ミストを与えても、毛皮質まで浸透せず蒸発してしまいます。美髪への第一歩は、流行のアイテムを買い漁ることではなく、客観的な髪質診断によって毛髪の現在地を正確に特定することです。