日常会話では「サツキ」と「ツツジ」を別個の植物として呼び分けますが、植物分類学上はいずれもツツジ科ツツジ属(Rhododendron)に属しています。サツキの正式名称は「サツキツツジ(皐月躑躅)」であり、ツツジという広大なグループの中に含まれる一系統という位置づけです。
一般的に「ツツジ」と呼ぶ場合、街頭植栽でよく見られる大型の「ヒラドツツジ(平戸躑躅)」や、小輪多花性の「キリシマツツジ(霧島躑躅)」、野生種の「ヤマツツジ」などを総称したものを指します。これに対してサツキは、日本の渓流沿いなどに自生していたサツキツツジを原種とし、江戸時代以降に園芸品種として独自の進化を遂げた系統です。
岩場や水辺の厳しい環境に適応してきた歴史から、サツキはツツジに比べて樹高が低く、葉や幹が緻密に締まる性質を受け継ぎました。この原生環境の違いが、開花時期や葉の形態差を生み出す根本的な要因となっています。