フライトジャケットの購入を検討する際、誰もが直面するのが「MA-1とL-2Bのどちらを選ぶべきか」という疑問です。米空軍の規格において、MA-1は気温マイナス10℃から10℃の「インターミディエイトゾーン」用として開発されました。分厚いウールパイルやポリエステル中綿が封入されており、高い保温力を発揮する反面、暖房の効いた室内や電車内では汗ばんでしまうという側面を持ちます。
対するL-2Bは、気温10℃から30℃での着用を前提としたライトゾーンフライトジャケットです。最大の特徴は中綿なしフライトジャケットである点にあり、表地のナイロンと裏地のレーヨン・ウール混紡(またはナイロン地)のみで仕立てられています。この構造により、軽快な着心地と美しいドレープ感が生まれ、着膨れを嫌う現代のメンズファッションに驚くほど自然に溶け込みます。
外観上の決定的な違いとして挙げられるのが、エポレットとオキシジェンタブの有無です。L-2Bの初期から中期モデルには、階級章を留めるための肩のエポレットや、酸素マスクのホースを固定するためのオキシジェンタブ(クリップタブ)が備わっています。これらはMA-1の洗練されたミニマリズムとは一線を画す、ヴィンテージミリタリー特有の機能美を象徴するパーツです。