賃貸選びにおいて最も敬遠される要因が防音性の低さです。ネット上では「隣人のくしゃみやスマホのバイブ音が聞こえる」「トイレットペーパーを巻き取る音まで響く」といった半ば都市伝説のような口コミが散見されます。
この問題の真相は、大東建託が供給してきたアパートの「構造種別」と「建築年代」にあります。同社の物件の多くは木造(2×4工法)および軽量鉄骨造です。鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションと比較した場合、構造的に質量が小さいため、空気伝播音や固体伝播音が隣室や上下階に伝わりやすい物理的特性を抱えています。特に平成初期から2010年頃までに建てられた標準仕様のアパートでは、コストと工期を最優先にした設計がなされていたため、防音性能に対する不満が集中しました。
当時の物件に暮らした元入居者は、メディア取材やレビューサイトにおいて「隣の住人が夜中に友人を連れてきただけで会話の内容が筒抜けになり、睡眠障害に陥った」と振り返ります。こうした実体験がネット上で何年もアーカイブされ、蓄積され続けていることが「大東建託=壁が薄い」という強烈なパブリックイメージを固定化させました。
しかし、同社もこの悪評を放置していたわけではありません。2011年以降、上階からの衝撃音を大幅に低減する高遮音床システム「ノンドロップ」を独自開発し、近年施工された物件には標準採用を進めています。界壁(隣室との境の壁)にも遮音間柱やグラスウールを重層的に充填する仕様へと設計変更が図られました。2026年現在の新築・築浅物件を内見したユーザーからは「想像していたより遥かに静かで拍子抜けした」という評価も増えており、住み心地の満足度は「築年数と採用されている遮音仕様」によって180度異なるというのが冷徹な事実です。