風に揺れる桜の枝葉の下を歩いていると、ふと足元に古びたレールの残影が見えるような錯覚を覚える。この道は、かつて岡崎市と豊田市を結び、人々の移動や物流を支えた名鉄挙母線(ころぼせん)の軌道跡だ。昭和48年の廃線後、線路跡は緑豊かな遊歩道として再整備された。
一般的な公園や街路樹とは一味違う魅力が、この場所には溢れている。鉄道特有の「急カーブが存在しないゆるやかな曲線」がそのまま散策路として生かされており、先が見えそうで見えない独特の奥行きを生み出しているのだ。春になれば満開の桜並木が果てしなく続くような視覚効果を生み、訪れる人々を魅了してやまない。