写真家であり編集者の都築響一氏は、その著作や写真集を通じて、日本のレジャーホテルが持つ独創的な建築美を「名もなき職人たちによる究極のアート」として世界に提示した。過剰とも言える室内装飾やコンセプチュアルな客室空間に光を当てた彼の批評は、従来のカルチャー観を覆し、現代の建築・デザイン界にも多大な影響を与えた。
日本のレジャーホテル業界が生み出した非日常の演出手法は、現代におけるデザイナーズホテルのルーツであったとも言える。独自のコンセプトで客室を彩る手法や、空間全体でストーリーを伝える設計思想は、近年のブティックホテルにも脈々と受け継がれている。目黒エンペラーが提示した先駆的なデザイン感覚は、今なお色褪せることなく日本の空間デザイン史に異彩を放っている。