王騎が自ら総大将として出陣し、危険を冒してまで龐煖との一騎討ちに踏み切った根底には、かつて命を落とした六大将軍のひとり・摎(きょう)を巡る悲痛な過去の因縁がありました。
摎は昭王の隠し子でありながら王騎の屋敷で育ち、幼少期に「城を百個取ったら王騎の妻になる」という約束を交わした女性武将です。類稀なる武才で六大将軍の席に上り詰め、記念すべき百番目の城・馬陽の攻略を目前にしたその夜、突如として山から降りてきた「武神」龐煖によって無差別に命を奪われました。
婚約者を眼前で惨殺された王騎は、激しい怒りとともに龐煖を切り伏せ、顔面に深い太刀傷を負わせて撃退します。しかし、生き延びていた龐煖は自らの「武神」としてのアイデンティティを証明するため、そして王騎は最愛の摎の無念を晴らすため、9年の歳月を経て同じ馬陽の地で再び相まみえることとなったのです。王騎にとってこの戦いは、秦国の防衛であると同時に、己の人生における最大の決着をつける戦いでした。