なぜ車検証の不携帯には青キップが存在せず、一足飛びに重い罰則が設けられているのでしょうか。その理由は、両者が管轄する法律の目的の違いにあります。
道路交通法が「道路における危険を防止し、交通の安全と円滑を図ること」を目的とするのに対し、道路運送車両法は「自動車の所有権の公証、安全性の確保、公害の防止、整備技術の向上」を主眼に置いています。車検証(自動車検査証)は、その車両が国の保安基準に適合していることを証明する唯一無二の公的証明書です。無車検車両や盗難車、不正改造車の横行を防ぎ、車両の同一性を担保するため、国家管理の根幹を成す書類として極めて厳格な管理が課されているのです。
さらに見落とされがちなのが、自動車損害賠償保障法(自賠責法)第8条が規定する「自賠責保険証明書の携帯義務」です。車検証と自賠責保険証明書は同じファイルに保管されていることが大半であるため、車検証を自宅に忘れたり紛失したりしている場合、同時に自賠責証明書も不携帯となっているケースが頻発します。自賠責保険証明書の不携帯には「30万円以下の罰金」が科されるため、二重の法違反に問われる事態へと直結します。