東山動植物園のキリンを調べる際、多くの人が目にするのが過去の訃報に関する検索履歴です。ネット上で「何があったのか」と不安視されることがありますが、その背景には大型動物ならではの繊細な身体構造と命の脆さが存在します。
国内有数の長寿や複数頭の出産で全国的に愛された歴代の個体(長年群れを支えたマオやカンチ、そしてその子どもたち)の中には、加齢に伴う足腰の悪化や関節炎、あるいは不慮の転倒による起立不能によって命を落とした事例がありました。体重が1トン近くに達するキリンは、一度自力で立ち上がれなくなると自重で内臓や筋肉が圧迫され、急速に循環不全を起こすリスクを抱えています。
園の獣医師チームや飼育員は、床材の全面改良、滑り止めマットの配置、日常的な削蹄(蹄の手入れ)トレーニングの導入など、過去の尊い犠牲から得た教訓を現在の飼育環境へ徹底的にフィードバックしてきました。悲しい別れを乗り越えながら、命のバトンを未来へ繋ぐ懸命な繁殖プロジェクトが日々続けられています。