「一年中青々とした葉を楽しめる」と期待して常緑ヤマボウシを植えた庭主が、最初の冬に直面して戸惑うのが冬の落葉と葉色の変色です。12月から2月頃にかけて、みずみずしかった緑の葉が赤紫色や茶色へとくすみ、強い寒風に吹かれてハラハラと落ちていきます。
この現象を見て「枯れてしまったのではないか」「植えてはいけない木だったのか」と後悔する声が上がりますが、枯死ではありません。常緑ヤマボウシ(ホンコンエンシス系など)は植物学的には半常緑性(環境によって一部落葉する性質)を持っています。冬の低温や乾燥、寒風から樹木自身の体力を守るため、アントシアニンを生成して葉を赤茶色に染め、余分な葉を自らふるい落としている生理現象です。
春が訪れて暖かくなれば、鮮やかなライムグリーンの新芽が一斉に芽吹きます。ただし、氷点下5度を下回る寒冷地や強い北風が直接当たる場所では、葉の7〜8割が落ちて一時的に落葉樹のような姿になることもあります。「冬場も完全な濃緑の生垣状態を維持したい」という目的で植えると、理想とのギャップに後悔することになります。