肩の痛みに悩む人々が知恵袋で頻繁に目にするのが、「アイロン体操」や「振り子運動」と呼ばれるリハビリ法だ。この運動の生みの親こそ、近代肩関節外科のパイオニアであるアメリカの外科医アーネスト・コッドマンである。
コッドマン体操の本質は、重力を利用して肩関節の隙間を広げ、インナーマッスルに余計な緊張を与えずに肩を動かす点にある。片手を机につき、上半身を前傾させ、痛むほうの腕をダランと垂らして前後に優しく揺らす。決して腕の力で大きく振り回してはいけない。
ネット上の情報では、この繊細なニュアンスが抜け落ち、「重いダンベルを持って大きく回せ」と曲解されているケースが目立つ。アイロン程度の重み、あるいは腕の重さだけで十分なのだ。やり方を一歩間違えれば、炎症を助長させる凶器へと変貌する。