仕事における役割が急激に変化し、キャリアや家族、将来の方向性に迷いが生じやすい20代・30代。この時期の読書は、その後の数十年を支える知的骨格を形成します。
【20代で読むべき本】行動の原則と基礎的な思考力を鍛える
20代は、自己のアイデンティティを確立し、社会の荒波に立ち向かうための「行動の軸」を作るフェーズです。20代で読むべき本の代表格として挙げられるのが、安宅和人氏の『イシューからはじめよ』です。多くの人が「解くべき問題(イシュー)」を見極めずにがむしゃらに手を動かし、疲弊してしまいます。「何が本当にインパクトのある課題なのか」を絞り込む思考法は、若手ビジネスパーソンの生産性を根本から変革します。
また、哲学書おすすめの筆頭であるマルクス・アウレリウスの『自省録』は、古代ローマ皇帝が戦乱と激務の中で自分自身に向けて綴った生の記録です。外部の環境や他者の言動に心を乱されず、自分がコントロールできることだけに集中するストア派哲学の神髄は、SNSの比較文化に晒される20代の精神的な防壁となります。
【30代で読むべき本】全体観の獲得とリーダーシップの再定義
プレイヤーからマネジメントへ、あるいは専門性を深めながら組織の命運を担う立場へと移行する30代。30代で読むべき本としては、個人のスキルを超えた「組織と人間の本質」を説く一生に一度は読むべきビジネス書が求められます。
ピーター・F・ドラッカーの『マネジメント[エッセンシャル版]』は、企業や組織が社会の中で果たすべき機能と、人間を手段ではなく目的として生かすための原理原則を説いた不朽の名著です。また、ロバート・B・チャルディーニの『影響力の武器』は、人間がどのような心理的トリガーによって行動を起こし、あるいは操られてしまうのかを実験データで明かした名著であり、マーケティングや交渉における必須の教養となっています。