仏生山温泉の挑戦は、敷地の内側だけに留まらない。かつて法然寺の門前町として栄えた仏生山の古い街並みを再生させる取り組みが、着々と実を結んでいる。
岡氏らが推進する「仏生山まちづくり会社」の構想は、「まち全体をひとつの大きな旅館に見立てる」という画期的なものだ。温泉が「大浴場」なら、近隣の古い町家を改修したカフェや雑貨店が「売店」や「客室」の役割を担う。参道沿いには近年、若手クリエイターが手掛けるパン屋や古着屋、クラフトビールバーなどが点在するようになり、散策の楽しみが増している。点ではなく面で街を楽しむ文化が、ここ仏生山にしっかりと根付いている。