作家ものの陶器を購入する際、最大の懸念点となるのが「扱いにくさ」ではないでしょうか。「油染みがつきやすい」「電子レンジが使えない」「手入れが面倒」といった粉引特有の先入観は、購入を躊躇させる大きな要因となってきました。
しかし、古谷製陶所が他の窯元と決定的に異なるのは、「現代の暮らしで毎日気兼ねなく使える道具であること」を最優先に設計されている点です。公式発表資料および工房の製造基準によると、同窯では通常一度だけの本焼き工程を、手間をかけて「二度焼き」することで素地の焼き締まりを高め、吸水性を大幅に低減させる独自製法を採用しています。
日常の取り扱いに関する検証結果は以下の通りです。
- 電子レンジの可否:日常の温め直し程度(1〜2分程度)であれば問題なく使用可能です。ただし、油分の多い食品を長時間の高出力で加熱したり、空焚き状態にすることは急激な温度変化による破損の原因となるため推奨されません。
- 食洗機の可否:物理的に投入することは可能ですが、基本的には「手洗い推奨」です。水圧によって器同士がぶつかり合ってフチが欠けたり、強力なアルカリ性洗剤によって釉薬の艶が損なわれるリスクを防ぐため、柔らかいスポンジでの手洗いが最も長持ちします。
- 使い始めの「目止め」:一般的な粉引陶器では米のとぎ汁で煮沸する目止めが必須とされますが、古谷製陶所の器は出荷段階で専用のコーティング処理や十分な焼き締めが施されているため、「使い始めの目止め作業は不要」と案内されています。ぬるま湯で洗ってそのまま使い始めることができます。
注意すべき盲点として、購入直後に「完全に油シミを防げる」と過信してしまうケースが挙げられます。吸水性を抑えているとはいえ陶器であるため、長時間のつけ置き洗いや、カレーやキムチといった色素の強い食品を入れたまま一晩放置するような使い方は避けるのが賢明です。使用前にさっと水にくぐらせてから盛り付けるだけでも、油分や茶渋の染み込みを劇的に防ぐことができます。