なぜ創価学会にはこれほど多くの芸能人が集まり、その存在が目立つのでしょうか。その背景には、芸能界という極めて特殊な労働環境と、宗教社会学における「相互扶助機能」の密接な関係があります。
芸能界は、人気や流行に激しく左右される「実力主義かつ運の要素が支配的な世界」です。昨日まで脚光を浴びていたタレントが、翌日には一本の失言やキャスティングの変更によって仕事を失うリスクを常に抱えています。このような構造的ストレスと精神的孤立のなかで、「祈りによって境遇を打開できる」「現在の苦難は宿命転換の好機である」という教義は、無名時代やスランプに苦しむ表現者にとって、極めて強力な心理的防壁(セーフティネット)として機能しました。
さらに見逃せないのが、昭和から平成にかけて芸能界に根付いていた「強固な互助ネットワーク」です。売れない時代に住居や食事の支援を受けたり、芸術部内の先輩タレントからメンタルケアを受けたりすることで、過酷な下積み時代を生き抜くことができたという証言は枚挙にいとまがありません。昭和の高度経済成長期に地方から単身で上京し、芸能の門を叩いた若者たちにとって、学会の地域コミュニティや芸術部は一種の「疑似家族」として包摂力を発揮していたのです。
ただし、2026年現在の視点からこの構造を再考すると、組織への心理的依存が過度に深まるリスクも指摘されています。先輩・後輩関係と信仰の上下関係が一体化することにより、個人のキャリア選択やプライベートな意思決定に対する境界線が曖昧になりやすいという、心理学でいう「共依存関係」の弊害が表面化することもありました。