名将と呼ばれる監督たちは、いかにして若き選手たちの肩にかかる重圧を取り除いているのか。大阪桐蔭を率いる西谷浩一をはじめとするトップ指導者の采配には、共通する「人間観察の鋭さ」が存在する。
優勝した翌日のグラウンド。周囲からの祝福と狂騒の中で、名将はあえて選手たちに課題を提示する。「昨日の勝利は昨日のもの」と言い切る意識改革だ。レギュラー争いを一からやり直させ、慢心が芽生える隙を徹底的に潰す。一方で、ベンチ裏では選手個々のメンタル状態を細かく観察し、追い詰められそうな選手には適切な言葉をかける。厳しい勝負師の顔と、温かい父親のような包容力。この絶妙なバランスこそが、常勝軍団を支えるチーム作りの裏側である。