井上涼の真骨頂は、作品に関わる主要要素をすべて自身の手で作り上げる「完全自作自演スタイル」にあります。分業制が当たり前のアニメーション・音楽制作において、すべての工程を一人で手掛ける手法は極めて異例です。
まず際立つのが、心地よい韻を踏んだ作詞・作曲センスです。耳に残るフックの効いたメロディラインに、クスッと笑えてどこか切ない人間味あふれる歌詞を乗せ、親しみやすいポップソングに仕上げています。
さらに、コーラスや掛け声を含めたボーカルも自らの声を幾重にも重ねて録音。少しハスキーで温かみのある歌声が、手描き感の残るアニメーションの線画とパステル基調の柔らかな色彩に見事に調和し、唯一無二の世界観を構築しています。