使い勝手の面で植物性が動物性を圧倒するのが、保存性の高さです。植物性生クリームの賞味期限と保存方法を比較すると、動物性が製造から1〜2週間程度と極めて短命なのに対し、植物性は未開封であれば1ヶ月以上、製品によっては数ヶ月先まで品質が維持されます。これは植物油脂が酸化に強く、無菌充填技術と安定剤の恩恵によるものです。
ただし、一度開封してしまえば雑菌繁殖のリスクはどちらも同じです。開封後はしっかりと注ぎ口を密閉し、冷蔵庫のドアポケットではなく温度変化の少ない棚の奥に置き、2〜3日以内に使い切るのが鉄則です。もし余ってしまった場合、液体のまま冷凍すると解凍時に油分と水分が分離して使えなくなりますが、あらかじめ固めに泡立ててクッキングシートの上に一口大に絞り出し、急速冷凍すれば、約3週間は冷凍ホイップとしてコーヒーやトーストに乗せて活用できます。
また、料理における生クリームの植物性代用レシピの可否については、メニューの性質を見極める必要があります。
- 向いている料理(加熱時間が短く、軽さを出したいもの):トマトクリームパスタ、かぼちゃのポタージュ、ホワイトソースの仕上げ。植物性のあっさりした口当たりが酸味や野菜の風味を引き立てます。
- 避けるべき料理(高温で長時間煮込むもの、濃厚さが命のもの):本格的なカルボナーラ、ビーフシチューの仕上げ、キャラメル作り。植物性は強火でグラグラ煮込むと乳化が壊れて油が分離しやすく、味の奥行きも出にくいため、牛乳とバターで代用するか動物性を選ぶのが賢明です。