世界が奪い合う東北の手仕事、受け継がれる美と現場が抱く覚悟

世界が奪い合う東北の手仕事、受け継がれる美と現場が抱く覚悟

世界が奪い合う東北の手仕事、受け継がれる美と現場が抱く覚悟にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。

フランス・パリの目抜き通りにあるコンセプトストアで、漆黒の小ぶりなケトルが飛ぶように売れている。岩手県が誇る南部鉄器だ。かつては重厚な湯沸かしというイメージが強かったが、近年はIH対応の薄肉軽量化モデルや、海外の著名デザイナーとコラボレーションしたモダンなカラーリングが次々と投入されている。鉄器で沸かした湯のまろやかさ、鉄分補給という機能美はそのままに、欧米のティーカルチャーへ見事に溶け込んだ。

福島県が誇る会津塗も負けてはいない。400年以上の歴史を刻むこの漆器産地では、ガラス素材やステンレスに特殊な下地を施して漆を焼き付ける新技法が実用化され、食洗機で洗えるデイリーユースの漆器が誕生した。「漆は扱いが面倒」という固定観念を現場の技術革新が打ち破ったのだ。伝統工芸の持つ格式を保ちつつ、日常のノイズにならない佇まい。この絶妙なバランスこそ、国境を越えて選ばれる最大の武器になっている。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。