便器の構造上、異物が詰まりやすいポイントは主に3箇所存在します。第一に便器内の狭い屈曲部である「ゼット穴・トラップ部」、第二に便器と床下の排水管を接続する「排水アジャスター部」、そして第三に「床下の横引き排水管奥」です。水が少しずつ浸透するように流れる背景には、以下の物理的・環境的要因が絡み合っています。
特に近年増加しているのが、環境負荷低減と水道代削減を目的とした節水型トイレの普及に伴うトラブルです。従来のトイレが1回の洗浄に約10L〜13Lの水を使用していたのに対し、最新の節水便器は約3.8L〜4.8Lと半分以下の水量で流す設計になっています。流すパワー自体は水流制御技術で最適化されているものの、一度に大量のトイレットペーパー詰まりが発生した場合や、水溶性の「トイレ用掃除シート」を複数枚重ねて流した際に、汚物を排水本管まで押し流す推進力が不足し、床下の排水管手前で堆積してしまう事例が頻発しています。
また、尿に含まれるカルシウム成分が結晶化した「尿石」が配管内壁に分厚く付着している場合、管の内径そのものが狭小化しているため、日常的なペーパー使用量であっても簡単に引っかかり、水抜けが著しく悪化します。