毎日放送が彼女の急逝を発表したのは、2023年2月2日のことだった。実際の逝去日は1月25日。局側の公式コメントは「急死」という簡潔な表現にとどまり、死因については「プライバシーに配慮し、遺族の意向により非公表」と説明された。感染症の流行期であったものの、局側は新型コロナウイルスによるものではないと明言している。
なぜ、看板アナウンサーの死の真相は詳細に語られなかったのか。放送業界において、著名人の訃報に際し死因を公表しないケースは決して珍しくない。そこには、遺された家族の私生活を守るという極めて人道的な判断が働いている。センセーショナリズムを排し、故人の名誉と静謐な別れの場を守り抜くこと。それがMBSメディアホールディングス全体で共有された厳格な方針だった。