都市部のヘアサロンで日々顧客のカウンセリングを行うトップスタイリストたちに取材を行うと、驚くべき実態が浮き彫りになります。都内有名サロンのディレクターは、現場での実感を次のように証言します。
「お客様から『髪が重くて乾かない』『毛先が束になってベタつく』と相談を受け、マイクロスコープで毛髪を拡大すると、過剰なシリコーンやカチオン界面活性剤が何層にもこびりついている事例が目立ちます。普段のお手入れを伺うと、リンスとコンディショナーをダブル使いしていたり、トリートメントの上からさらに濃厚なコンディショナーを塗り重ねていたりするケースが実に3割以上を占めます」
大手調査機関が実施したヘアケア意識調査(20〜50代男女1,200名対象)でも、「リンスとコンディショナーの機能差を正確に把握していない」と答えた割合は64.2%に上りました。SNSや知恵袋などのコミュニティ上でも「実家に両方置いてあるが使い分けがわからない」「シャンプー、リンス、コンディショナーの順で毎日全部使っている」という投稿が散見されます。
良かれと思って時間とコストをかけて行っている重ねづけが、実際には髪を窒息させ、サロンでのカラー発色やパーマのかかりを阻害する「ケミカルビルドアップ」を引き起こしているのが現場のリアルです。