鳴門鯛焼本舗の最大の代名詞であり、全国の甘党を虜にし続ける根源にあるのが「天然たいやき」と呼ばれる一丁焼きの技術です。
たい焼きの焼き方には、一度に6〜10匹以上をまとめて焼き上げる大型の鉄板を使用した「養殖モノ」と、1匹ごとに独立した専用の焼き型(一丁)を職人が直火で手焼きする「天然モノ」の2種類が存在します。鳴門鯛焼本舗が採用しているのは後者の天然製法です。
職人が握る鋳型の重さは1丁あたり約2キログラム。これを何本も並べ、約800度におよぶ強火のガス火の上で絶え間なく返し続けながら焼き上げます。直火で一気に熱を通すことで、余分な水分が瞬時に蒸発し、皮は極限まで薄く、表面はカリッと香ばしく仕上がります。
この製法だからこそ、一般的な厚皮のパンケーキ状たい焼きとは全く異なる「パリパリとしたクリスピーな食感」と「一口目から尻尾の先まで溢れんばかりの餡」が共存するのです。手間と腕力を要する非効率な職人技をチェーン展開の規模で実現した点こそ、競合他社が容易に真似できない人気の秘密と言えます。