激戦区・久留米で本当に旨い串に出会うなら、ネットのランキング上位だけをなぞっていては勿体ない。地元通が足繁く通うのは、歓楽街・日吉町や六ツ門の路地裏に佇む、赤提灯が灯る名もなき名店たちだ。
暖簾をくぐれば、煙で燻された壁と年季の入った焼き台が迎えてくれる。常連客は席に着くなり「バラ、ダルム、ハツを塩で」と手短に告げ、キンキンに冷えた瓶ビールを傾ける。ある店ではダルムをカリカリになるまで限界まで焼き込み、またある店では秘伝のニンニクダレに潜らせてコク深く仕上げる。店主ごとの細かなこだわりが、同じダルムという一本に全く異なる表情を与える。
飾り気のないカウンターで、隣り合わせた常連と肩を並べながら焼き立てを頬張る。これこそが久留米焼き鳥の真骨頂であり、大手グルメサイトのスコアには現れない至高の体験だ。