週末の大須商店街。活気あふれるアーケードの路地裏に、ひと際長い列が伸びていた。目当ては、地元愛知の特産品を大胆に再構築した店舗限定フレーバーだ。西尾の抹茶を限界濃度まで練り込んだ深緑のソルベや、豊橋産の大粒いちごを丸ごと煮詰めたコンフィチュールを重ねた一品。一口含めば、暴力的なまでの素材感が舌の上で静かにほどけていく。
名駅エリアも負けてはいない。JR名古屋タカシマヤのデパ地下や特設会場には、全国の名店と地元シェフがコラボレーションした「ここだけでしか買えない」冷菓を求めて開店前からファンが集まる。なぜ名古屋人はこれほどまでに限定アイスへ情熱を注ぐのか。常連客の一人は「味の輪郭がはっきりしていて、一口の満足度が圧倒的だから」と語る。甘み、苦み、そしてコク。すべてが計算し尽くされたバランスの妙が、舌の肥えた地元民の心を掴んで離さない。