同じ境内地には、もう一つの名社である志波彦神社(しわひこじんじゃ)が厳かに鎮座している。もともとは宮城郡岩切村(現・仙台市)に祀られていた国幣中社であり、明治時代にこの地へ遷座された。農耕と殖産の神を祀る志波彦神社と、海を司る鹽竈神社。この二社が同じ境内に並び立つ姿は、海と大地、自然界のすべての営みが調和する象徴的な光景といえる。
参拝の際には、両社へ順に礼を尽くすことで、運気のバランスが完璧に整うとされる。授与所でいただける御朱印も、それぞれの個性が際立つ。特に四季折々の神事や例大祭に合わせた特別な和紙仕立ての御朱印は、手作業で押される朱印の陰影が美しく、旅の記憶を鮮烈に刻み込む逸品だ。社務所が開く朝一番の清々しい空気の中で受け取る墨文字の温もりに、思わず息を深く吸い込む参拝客は多い。