陸上火山の大規模噴火は、大量の火山灰や二酸化硫黄を放出し、日光を遮ることで地球の「日傘効果(冷却化)」を引き起こすことが知られている。しかし、水深数十メートルから数百メートルの浅い海で起きる噴火は、全く逆のメカニズムを作動させることがわかってきた。
トンガ沖海底火山噴火の分析結果が示したのは、成層圏へと打ち上げられた前代未聞の量の「水蒸気」だ。水蒸気は強力な温室効果ガスとして機能するため、中長期的に地球全体の気候変動を加速させる要因となり得る。局所的な災害にとどまらず、数年単位での世界的な気温変動や不順な天候、それに伴う穀物生産への影響など、気候システム全体への波及効果が今なお世界中の科学者によって注視されている。