原体制における青山学院大学の歩みは、数字の面でも大学駅伝史に前例のない記録を打ち立ててきました。就任当初は予選会落ちを繰り返し、一時は契約解除の危機に瀕していたチームが、いかにして絶対王者へと君臨したのか。その軌跡は極めてロジカルです。
2009年に33年ぶりの箱根駅伝本戦出場を果たすと、シード権獲得を経て、2015年の第91回大会で悲願の総合初優勝を達成。そこから2018年まで史上稀に見る総合4連覇を成し遂げました。さらに、記念すべき第100回大会では、強豪校がひしめく中で大会新記録(10時間41分25秒)を樹立して総合優勝を奪還。2026年に至るまで、直近10数年間で通算8回以上の総合優勝を誇る圧倒的な黄金期を維持しています。
他校の指導者が最も驚異視しているのは、「特定のスーパーエースに依存しない再現性」です。高校時代にトップタイムを持たない選手であっても、青学の「青トレ」(体幹トレーニングや動的ストレッチを体系化した独自プログラム)とデータに基づく走行距離の管理によって、大学3〜4年次には区間賞争いを演じるランナーへと急成長します。故障者を極限まで減らし、年間を通じて質の高い練習を積ませる育成力こそが、毎年隙のない強力な10人を箱根路に送り込める決定的な勝因です。