アメリカの学校における年間スケジュールを把握する上で外せないのが、アメリカの学校が新学期9月始まり(8月下旬〜9月上旬)を基本としている点です。これに伴い、アメリカの夏休みの期間はいつからいつまでかというと、多くの州や学区で5月下旬から6月上旬に学年末を迎え、8月中旬から9月のレイバー・デー(労働者の日)直後までの約10〜12週間に及びます。
南部や西部の学区では5月下旬に終了し8月中旬に新学年がスタートするケースが多く、ニューヨークなど北東部では6月後半まで授業があり9月上旬に始まるなど、地域ごとの気候や教育委員会の方針によって数週間のズレが見られます。
そして日本人が最も驚くのが、「夏休みの宿題が原則として存在しない」という点です。アメリカの夏休みに宿題なしの理由は、制度上の仕組みにあります。学年末を迎えた段階でその学年の履修・評価は完全に完結し、担任教師との契約も一旦リセットされます。新学期には新しい学年・新しいクラス・別の教員のもとに進級するため、「前学年の教員が次学年に向けて課題を課す」という教育行政上の権限構造が存在しないためです。
推奨図書リスト(サマーリーディング)が提示されることはあっても、日本の「読書感想文」「自由研究」「日誌」「算数ドリル」のような一律強制の提出物はありません。子どもたちにとって夏休みは、過去の学業から完全に解放される純粋なオフ期間として位置づけられています。