参拝者を最も混乱させるのが、「大吉の次に良い運勢は吉なのか、それとも中吉なのか」という論争です。ネット上の掲示板やSNSでも初詣シーズンになるたびに激論が交わされますが、結論から言えば「どちらも正解であり、参拝した寺社が採用している体系によって異なる」というのが真相です。
神社本庁の伝統的な解釈では、大吉の次位は「吉」とされています。この論理の根底には、古代からの言葉の成り立ちがあります。「吉」とはめでたいことの「本源」であり、満ち足りた状態を指します。それに対して「中吉」は「吉の半分(中くらい)」、「小吉」は「吉のわずかな状態」を意味するため、基準点である「吉」よりもランクが下がるという構造です。
これに対し、現代人の感覚に合わせた寺社では「大吉 > 中吉 > 小吉 > 吉 > 末吉」という順位付けを採用しています。大・中・小という直感的な階級グラデーションを優先し、その下に無印の「吉」、さらに下に「末吉」を配置する形態です。成田山新勝寺をはじめとする一部の寺院や著名な神社でもこのパターンを支持する案内板を掲げており、どちらが優れているかを一概に断じることはできません。その場で確認したい場合は、授与所の神職や僧侶に直接質問するのが確実です。
また、「末吉と小吉のどちらが上か」についても疑問を持つ人が少なくありません。漢字の印象から「末吉は末広がりに良くなるから小吉より上ではないか」と解釈されがちですが、公序の序列では小吉のほうが末吉より上と位置付けられます。ただし、「末」の字が表す通り、今は小さな芽であっても将来に向けて花開く余力を秘めているのが末吉の真骨頂です。