近年、テレビ東京系の教養番組『美の巨人たち(渉成園特集)』で取り上げられたことを皮切りに、この庭が持つ独自の幾何学構造と光の設計があらためて脚光を浴びた。NHKオンデマンドのアーカイブ配信などでもその映像美は繰り返し視聴され、若年層やアートファンの間でも訪問熱が高まっている。
映像作家たちを魅了してやまないのは、四季折々の劇的な色彩変化だ。春の桜は印月池の水鏡に散り敷き、初夏には杜若(かきつばた)と睡蓮が水面を彩る。秋には紅葉が園内を燃え立つような朱に染め、冬の雪景色はモノトーンの静寂をもたらす。朝露に濡れる苔の質感から、夕暮れ時に池を黄金色に染める西日の一筋まで、どの瞬間を切り取っても絵画として成立してしまう。