甘夏特有のえぐみや苦味に悩む人は少なくありません。この苦味の主成分は、果皮や内皮(じょうのう膜)に多く含まれる「ナリンギン」や「リモノイド」と呼ばれるフラボノイド類です。これらを適切にコントロールできるかどうかが、料理の完成度を決定づけます。
まず押さえるべきは、包丁を使った甘夏の簡単なむき方です。硬い外皮の上下(ヘタとお尻の部分)を果肉が見える厚さまで切り落とし、平らな面を下にしてまな板に置きます。リンゴの皮をむく要領で、上から下へとカーブに沿って外皮を白皮ごと削ぎ落とします。その後、薄皮と果肉の間にV字に包丁を入れる「カルチェ(房取り)」を行えば、苦味のある筋や種を一切残さずに、美しい果肉だけを短時間で取り出せます。
手で剥く場合は、外皮全体に十文字の切り込みを入れて剥いた後、熱湯に約2〜3分くぐらせて冷水に取ると、薄皮がふやけてツルリと簡単に剥がれます。この下処理を徹底するだけで、生のままサラダやデザートに加えた際の口当たりが格段に滑らかになります。