性能の高さは魅力的であるものの、患者にとって最も気になるのが導入コストと運用面の利便性だろう。日本国内の矯正歯科における一般的な料金相場は、上下顎4セット(計8個)のパッケージで約4万円から8万円前後に設定されていることが多い。単体で購入する一般的な保定装置と比較すると一見高価に思えるが、ここには合理的な理由がある。
最初から4セットがまとめて提供される仕組みこそが、長期的なコスパを高める最大の裏側だ。万が一、旅行先で1つ紛失したり、ペットにかみ砕かれたりしても、予備の新品装置へ即座に切り替えられる。保定装置を失ったまま数日間放置すると歯は一気に動き出すため、予備を常備できる安心感は何物にも代えがたい。また、デジタルデータがクラウド上に永久保存されているため、再注文時にも再度のスキャン作業が不要となるメリットがある。