日本国内において彼を不動の人気スターへと押し上げた決定打といえば、1985年の傑作『コマンドー』だろう。理屈を吹き飛ばす規格外の火力、小気味よい毒舌の応酬、そして一切の迷いなく悪党をなぎ倒していく痛快無比なストーリーテリング。テレビ放映時の名吹き替えとともに、世代を超えてカルト的な支持を集め続けている。
自らのパブリックイメージを客観的に見つめ、観客が何を求めているかを瞬時に察知する嗅覚。それは筋肉を誇示するだけでなく、セルフパロディすらも最高のエンターテインメントへと昇華させる柔軟さから生まれていた。この時代に培われたサービス精神こそが、今なお彼が世界中で愛され続ける最大の理由である。