ネット上の相談掲示板やSNSコミュニティを調査すると、「想像を絶する破壊行動に悩まされている」「散歩に毎日2時間以上費やしても体力が底をつきない」といった切実な悲鳴が散見されます。「オーストラリアンシェパードを飼って後悔した」と語る飼い主の多くは、この犬種が持つ本来のポテンシャルを誤認していました。
取材に応じた日本警察犬協会公認訓練士は、現場の実情を次のように指摘します。「彼らは単なる愛玩犬ではなく、過酷な牧場で数百頭の家畜を一日中誘導するために品種改良された屈強な牧羊犬です。『賢いから手がかからない』と誤解する方がいますが、実際は正反対。知能が高すぎる犬は、人間の指示が曖昧だったり退屈を感じたりすると、自分で独自のルールを作り出し、それが家具の破壊や執拗な無駄吠えという形で爆発します」。
知的好奇心と運動欲求が満たされないストレスは、やがて強烈なフラストレーションへと変わります。知力と体力の双方が限界まで試される犬種だからこそ、生半可な覚悟で迎えた家庭が「こんなはずではなかった」と後悔の念を抱くに至るのです。