テレビ埼玉が開局した1979年(昭和54年)、夏の全国高校野球埼玉大会中継のスポンサーを務めたことが、このCMの放映開始のきっかけでした。当時から40年以上にわたり高校球児の熱戦とともに流れ続けた結果、埼玉県内の少年少女や親世代にとって、あのCMソングと語りは「夏の青春の記憶」と不可逆的に結びついています。
SNSや知恵袋、地元コミュニティにおけるリアルな声を拾い上げると、単なる商品のファンを超えた熱量の高い証言が散見されます。
「他県から埼玉に引っ越してきた当初は、テレビから流れる厳粛すぎるCMに呆気にとられたが、気がつけば自分もテレ玉を見ながら『うまい、うますぎる』と口ずさんでいた」(30代男性・さいたま市在住)
「毎年恒例の十万石感謝デーになると、店舗の前に朝から長蛇の列ができる。地元住民にとって十万石まんじゅうはネタではなく、冠婚葬祭や手土産に欠かせない生活必需品」(50代女性・行田市出身)
映画『翔んで埼玉』で「埼玉県民かどうかを判別するためのリトマス試験紙」として描かれた場面は、決して誇張されたフィクションではありませんでした。リアルな県民生活の中に溶け込んでいるからこそ、パロディとして昇華された際にも大きな共感と笑いを呼んだのです。