彼女の本職は少女漫画家ですが、描く作品はいつも編集部から酷評されてしまいます。本人は王道のキラキラした恋愛ストーリーを描いているつもりなのに、独特のダークな感性がにじみ出てしまい、登場人物の目が異様に虚ろだったり、絵柄がどう見ても本格ホラー漫画になってしまうのが最大の原因です。
しかし、そんな彼女を見捨てないのがおじゃる丸をはじめとする月光町の住民たちです。坂ノ上おじゃる丸はふらりとアパートに立ち寄ってはマイペースに毒舌を放ちつつも良き話し相手になり、町の人々も彼女を奇異の目で見ることなく自然体で接しています。世間の厳しさに打ちのめされながらも、下町情緒あふれる月光町のコミュニティに支えられている温かさこそが、このエピソード群の根底にある魅力です。