就寝中の無意識な歯ぎしりや食いしばりは、起きているときの最大咬合力を遥かに超え、体重の2倍以上(100kg超)の負荷が歯や顎にかかると言われています。この破壊的な力から歯を守るアプローチとして、臨床現場で最も広く用いられているのがナイトガード(マウスピース)です。
結論から言えば、歯ぎしりマウスピースの効果は医学的にも高く実証されています。ただし、誤解してはならないのは「装着すれば歯ぎしりをする癖そのものが完全に消えるわけではない」という点です。主な役割は次の3点に集約されます。
第一に、上下の歯が直接擦れ合うのを物理的に遮断し、エナメル質の摩耗や歯の亀裂・破折を未然に防ぐこと。第二に、マウスピースの厚みによって噛み合わせの高さをわずかに上げ、顎関節や咀嚼筋(咬筋など)の過度な緊張を和らげること。そして第三に、起床時の顎の疲れ、首こり・肩こり、緊張型頭痛の軽減です。