大手結婚相談所のベテラン仲人が明かした手記や活動記録には、面談室で繰り返される痛烈なやり取りが記録されています。「30代女性の多くが希望年収欄に『500万円』とサラリと書きますが、その年収帯の男性はすでに20代で売れ残っていないか、あるいはアプリで20代の女性から引く手あまたです」という証言は、市場の厳しさを物語っています。
SNSやネット掲示板の書き込みを追うと、男女双方から切実な声が溢れています。 大手質問掲示板に投稿されたある30代男性の嘆きが大きな共感を集めました。
「毎日身を粉にして働いて、ようやく32歳で年収480万円になった。自分なりに誇りを持っていたのに、マッチングアプリでは『年収500万未満はフィルターで弾かれる』と知り、人間性を値踏みされる以前に足切りされた気分で心が折れた」(都内IT企業勤務・32歳男性)
一方、女性側の投稿にも切実な防衛本能が見え隠れします。
「私自身が年収380万あるので、相手に500万を求めるのは高望みだと思っていません。出産で自分が働けなくなったとき、世帯年収が落ち込む恐怖がある。贅沢をしたいわけではなく、子どもにちゃんとした教育を受けさせたいだけなのに、なぜ『夢見すぎ』と責められなければならないのか」(都内メーカー勤務・29歳女性)
このように、男性側は「努力の否定」として傷つき、女性側は「将来の育児リスクへの防衛」として500万円を求めているという構造的なすれ違いが起きています。双方が悪意を持っているわけではなく、賃金が容易に上がらない経済環境の中で、将来不安が数字への執着へと転化している様子が浮き彫りになっています。