中高一貫校へ入学した生徒の多くが直面するのが、「教科書のガイド本が本屋に売っていない」という現実です。一般的な公立中学校で使われる検定教科書であれば、教科書準拠のガイドや全訳・解答が網羅された参考書が大手書店で容易に入手できます。しかし、Z会が出版する『NEW TREASURE』は学校専売品であり、一般の書店流通ルートには乗りません。
指導者向けに発行されているニュートレジャー ティーチャーズマニュアル(教師用指導書)には、本文の完全和訳、文法解説、ワークブックの解答が詳細に記載されています。しかし、これは学校の教員向けにのみ厳格な管理下で納品されるものであり、生徒や一般の保護者が正規ルートで購入することは不可能です。フリマアプリなどで高額転売されているケースも見られますが、版の改訂(Third Edition等)による掲載英文の差異や、著作権・規約上のリスクが極めて高いのが実態です。
学校側があえて解答や全訳を生徒に配らない背景には、「自力で辞書を引き、文構造(SVOC)を紐解く思考力を養成する」という教育的意図があります。しかし、進度の速さと情報量の多さに圧倒され、予習が破綻してしまう生徒が続出している点に、この教材特有の難しさがあります。