ワンランク上の仕上がりを目指すなら、鍋に具材を入れる前の下処理を省略してはいけません。特に大きな差がつくのが包丁の入れ方と事前の茹でこぼしです。
大根は2〜3cmの厚めの輪切りにし、皮をやや厚めに剥きます。皮の直下には硬い筋の層があるため、外側の白い筋が見えなくなる深さまで潔く剥くのが口当たりを滑らかにする秘訣です。角を削る「面取り」をして煮崩れを防いだら、裏面に深さ3分の1程度の十字の切り込みを入れます。この大根とこんにゃくの煮物に施す隠し包丁によって、繊維の奥深くまで煮汁を素早く誘導できます。
こんにゃくは包丁を使わず、スプーンやコップのフチを使って一口大に「手ちぎり」するのが鉄則です。断面が複雑な凹凸状になり、表面積が倍増して煮汁が劇的に絡みやすくなります。格子状の切れ目を入れる場合も、できるだけ細かく浅く入れるのがポイントです。
また、大根とこんにゃくの煮物の下茹でのコツとして、大根は米のとぎ汁(または生米ひとつまみ)を入れた水から10〜15分ほど下茹でします。米のデンプンが大根のアクや独特のエグみを吸着し、透明感のある甘みを引き出してくれます。こんにゃくは塩もみをして余分な水分を出した後、沸騰した湯で2〜3分下茹ですることで、特有の石灰臭を取り去り調味料の染み込みをスムーズにします。